薄毛治療と保険適用に関して、世の中には様々な情報が溢れていますが、中には誤解を招くような表現や、不確かな情報も存在するため注意が必要です。特に、費用負担を少しでも抑えたいと考えるあまり、誤った情報に惑わされてしまうケースが見受けられます。まず、「どんな薄毛治療でも保険がきく」という考えは誤りです。前述の通り、AGAやFAGAなど、美容目的とみなされることが多い薄毛治療は、原則として保険適用外の自由診療となります。保険が適用されるのは、円形脱毛症や特定の病気が原因となっている場合に限られるのが一般的です。インターネット広告などで「保険適用で薄毛治療ができる」といった旨の表現を見かけることがありますが、その内容をよく確認する必要があります。特定の条件下でのみ適用されるケースや、実際には保険適用外の治療を勧誘する目的である可能性も考えられます。安易に飛びつくのではなく、どのような治療が、どのような根拠で保険適用となるのか、具体的な情報を慎重に見極めることが重要です。「混合診療」に関する誤解も注意が必要です。混合診療とは、保険診療と自由診療を併用することですが、原則として日本では認められていません。例えば、保険適用の皮膚炎治療を受けながら、同時に自由診療のAGA治療薬の処方を受けるといった場合、本来保険適用となるはずの皮膚炎治療も含めて、すべてが自由診療扱いになってしまう可能性があります。ただし、例外的に保険外併用療養費制度として認められているケース(評価療養、選定療養など)もありますが、薄毛治療において該当するケースは限定的です。このあたりのルールは複雑なため、自己判断は避け、必ず医療機関や専門家に確認するようにしましょう。また、「医療費控除を使えば、実質的に保険適用と同じくらい安くなる」といった考え方も短絡的です。医療費控除は、あくまで支払った医療費の一部が所得控除される制度であり、治療費そのものが安くなるわけではありません。控除額も所得によって異なり、必ずしも大きな負担軽減につながるとは限りません。薄毛治療を検討する際は、正確な情報に基づいて判断することが何よりも大切です。不確かな情報や甘い言葉に惑わされず、信頼できる医療機関で医師の説明をしっかりと聞き、納得した上で治療を選択するようにしましょう。
— AGA —
薄毛治療の保険適用に関する誤解注意
2019年5月29日