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遺伝が関係?髪の量や太さの個人差

「生まれつき髪が薄い気がする」と感じる大きな理由の一つに、遺伝的な要因による髪の毛の量や太さの個人差があります。私たちの髪質、つまり髪の太さ、硬さ、色、そして生えてくる密度(毛穴の数)などは、両親から受け継いだ遺伝子によって大きく影響を受けています。例えば、髪の毛の太さには人種差も見られます。一般的に、欧米人の髪は細く、アジア人の髪は太い傾向があると言われています。同じ日本人の中でも、髪が太くてしっかりしている人もいれば、細くて柔らかい、いわゆる「猫っ毛」と呼ばれる髪質の人もいます。髪が細いと、同じ本数でも全体のボリュームは少なく見えがちです。また、頭皮にある毛穴の数、つまり生えてくる髪の毛の本数(密度)も、遺伝的にある程度決まっていると考えられています。毛穴の数がもともと少ない人は、髪の毛一本一本が太くても、全体のボリューム感は少なく感じるかもしれません。髪の毛の色も影響します。髪の色が明るい(色素が薄い)場合、同じ毛量でも地肌が透けて見えやすく、薄毛という印象を与えやすいことがあります。これらの髪質や毛量は、基本的には生まれ持ったものであり、後天的な努力で毛穴の数を増やしたり、髪の毛そのものを劇的に太くしたりすることは困難です。つまり、「生まれつき薄毛」と感じている方の多くは、病気ではなく、遺伝的に髪が細い、あるいは密度が低いといった「体質」である可能性が高いのです。それは、背が高い人や低い人がいるのと同じように、個性の一つと捉えることができます。もちろん、後天的な要因、例えば生活習慣の乱れや不適切なヘアケアによって、もともと細い髪がさらにダメージを受けたり、抜け毛が増えたりして、薄毛が進行するように見えることもあります。しかし、根本的な原因が遺伝的な体質である場合、それを理解した上で、自分の髪質に合ったケア方法や、ボリュームアップして見せる工夫などを考えることが、悩みを解消するための現実的なアプローチとなるでしょう。