ケトコナゾール配合の製品は、医療機関で処方される医療用医薬品だけでなく、一部は薬局やドラッグストアで購入できる「市販薬(OTC医薬品)」としても販売されています。ただし、すべての剤形や濃度のものが市販されているわけではなく、購入できる製品は限られています。市販で購入可能なケトコナゾール製品として代表的なのは、「シャンプー」や「ローション」の形態で、主に「フケ・かゆみ止め」を効能・効果として販売されているものです。これらは、頭皮の脂漏性皮膚炎の原因菌の一つであるマラセチア菌の増殖を抑えることを目的としており、多くの場合「第1類医薬品」または「第2類医薬品」に分類されます。第1類医薬品の場合は、薬剤師による情報提供が義務付けられているため、購入時に薬剤師から説明を受ける必要があります。これらの市販薬は、軽度のフケやかゆみに対して、セルフケアとして試してみる価値はありますが、いくつかの注意点があります。まず、症状の原因が本当に脂漏性皮膚炎であるかどうかの自己判断は難しい場合があります。他の皮膚疾患(例えば、乾癬や接触皮膚炎など)の可能性もあるため、症状が長引く場合や、悪化する場合、あるいは原因がはっきりしない場合は、自己判断で市販薬を使い続けず、皮膚科を受診することが重要です。また、市販のケトコナゾール製品は、医療用医薬品に比べて有効成分の濃度が低い場合があります。そのため、医療機関で処方されるものと同等の効果が得られるとは限りません。効果が不十分な場合は、やはり医師の診察を受ける必要があります。一方、水虫(白癬)やカンジダ症などの治療に用いられるケトコナゾールの「クリーム」や「ローション」は、基本的には「医療用医薬品」であり、医師の処方箋が必要となります。これらの真菌感染症は、正確な診断に基づいて適切な薬剤と治療期間を選択する必要があるため、市販薬での自己治療は推奨されません。そして、ケトコナゾールの「内服薬(飲み薬)」は、重篤な副作用のリスクから、市販薬としては絶対に販売されていません。必ず医師の処方と厳重な管理下でのみ使用される薬剤です。近年、AGA(男性型脱毛症)治療への応用として、ケトコナゾール配合のローションやシャンプーが注目されることもありますが、これらも主に医療機関での処方や、海外製品の個人輸入などで入手されるケースが多いようです。
— AGA —
ケトコナゾールは市販で買えるの?
2020年11月21日