最近、抜け毛が増えた気がする、髪のボリュームが減ってきたかも、と感じる20代の女性が増えていると言われています。まだ若いのにどうして？と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。20代女性の薄毛や抜け毛の原因は、男性のAGA（男性型脱毛症）とは異なる場合が多く、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられます。まず考えられるのが、ホルモンバランスの乱れです。女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、髪の成長を促進し、ハリやコシを保つ働きがありますが、過度なストレスや不規則な生活、無理なダイエット、あるいはピルの服用中止などによってホルモンバランスが崩れると、相対的に男性ホルモンの影響が強まり、抜け毛が増えたり、髪が細くなったりすることがあります。特に、急激な体重減少を伴うダイエットは、髪に必要な栄養が不足し、ホルモンバランスも乱れやすいため注意が必要です。次に、生活習慣の乱れも大きな要因です。睡眠不足は、髪の成長に不可欠な成長ホルモンの分泌を妨げます。また、偏った食生活は、髪の主成分であるタンパク質や、髪の健康を支えるビタミン、ミネラルなどの栄養不足を招きます。外食やインスタント食品が多い方は、栄養バランスを見直す必要があるかもしれません。精神的なストレスも無視できません。仕事や人間関係などのストレスは、自律神経のバランスを崩し、頭皮の血行不良を引き起こす可能性があります。血行が悪くなると、毛根に十分な栄養が届かず、髪の成長が妨げられてしまいます。さらに、間違ったヘアケアも原因の一つです。洗浄力の強すぎるシャンプーの使用、ゴシゴシ洗い、すすぎ残し、あるいは頻繁なカラーリングやパーマ、過度なブラッシングなどは、頭皮や髪にダメージを与え、抜け毛を助長することがあります。ポニーテールなど、髪を強く引っ張る髪型を長時間続けることも、牽引性脱毛症の原因となる場合があります。まれに、FAGA（女性男性型脱毛症）と呼ばれる、女性特有のAGAが原因である可能性や、甲状腺疾患などの病気が隠れているケースもあります。まずは、ご自身の生活習慣やヘアケア方法を振り返り、思い当たる原因がないか考えてみることが大切です。原因を知ることが、適切な対策への第一歩となります。