プロテインは、髪の主成分であるタンパク質を手軽に補給できる便利なアイテムですが、「プロテインを飲んでいるから髪は大丈夫」と考えてしまうのは危険です。健やかな髪を育むためには、タンパク質だけでなく、様々な栄養素がバランス良く必要であり、その基本となるのは、やはり日々の「食事」なのです。プロテインはあくまで栄養補助食品であり、食事の代わりにはなりません。私たちの体は、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルといった五大栄養素をバランス良く摂取することで、正常に機能しています。髪の毛の成長も、これらの栄養素が複雑に関わり合って成り立っています。例えば、タンパク質を効率よく利用するためにはビタミンB群が必要ですし、頭皮の血行を促進するにはビタミンEが役立ちます。ケラチンの合成には亜鉛が不可欠であり、頭皮の健康維持にはビタミンCも重要です。これらのビタミンやミネラルは、プロテイン製品だけでは十分に補いきれない場合が多く、やはり多様な食材を含むバランスの取れた食事から摂取することが最も理想的なのです。もし、プロテインを飲むことで満腹感を得てしまい、通常の食事量が減ってしまったり、特定の食品しか食べなくなってしまったりすると、かえって栄養バランスが偏り、髪に必要な他の栄養素が不足してしまう可能性があります。これでは、せっかくプロテインでタンパク質を補給しても、その効果を十分に活かすことができません。理想的なのは、まず3食の食事で、主食、主菜、副菜を揃え、できるだけ多くの種類の食材から栄養を摂ることを基本とすることです。肉、魚、卵、大豆製品でタンパク質を確保し、野菜、果物、海藻、きのこ類などでビタミン、ミネラル、食物繊維を補給する。その上で、どうしても食事だけではタンパク質が不足しがちだと感じる場合に、補助的にプロテインを活用するというのが、賢明な使い方と言えるでしょう。プロテインは万能薬ではありません。髪の健康は、特定の栄養素だけではなく、体全体の健康状態と密接に関わっています。食事全体のバランスを見直し、改善していくことが、健やかな髪への最も確実な道筋なのです。
— かつら —
プロテイン頼みはNG!食事バランスが基本
2022年3月28日