成人男性で抜け毛が増えてきた、髪が薄くなってきたと感じる場合、その最も一般的な原因として考えられるのがAGA（男性型脱毛症）です。AGAは進行性の脱毛症であり、早期に気づき、適切な対策を始めることが重要です。では、どのようなサインが見られたらAGAを疑うべきなのでしょうか。まず、AGAの最も特徴的なサインは、「抜け毛・薄毛のパターン」です。AGAは、前頭部の生え際（特にM字部分）が後退していく、または頭頂部（つむじ周辺）が薄くなっていく、あるいはその両方が同時に進行するという、特定のパターンで症状が現れることが多いです。側頭部や後頭部の髪は比較的影響を受けにくいため、「最近、おでこが広くなった気がする」「M字部分の剃り込みが深くなった」「頭のてっぺんの地肌が透けて見える」といった変化を感じたら、AGAの可能性を考えましょう。次に、「髪質の変化」も重要なサインです。AGAが進行すると、髪の毛の成長期が短くなるため、髪が十分に太く長く成長できなくなります。その結果、以前よりも髪の毛が細く、柔らかく、コシがなくなったように感じることがあります。このような「軟毛化」と呼ばれる現象が見られたら、注意が必要です。また、「抜け毛の質」にも注目してみましょう。抜け落ちた髪の毛が、太く長い健康な髪ではなく、細くて短い毛や、産毛のような毛が多い場合、それはヘアサイクルが乱れている証拠であり、AGAが進行しているサインかもしれません。「家族歴」も参考になります。AGAの発症には遺伝的な要因が強く関わっているため、父方、母方どちらかの家系に薄毛の方がいる場合は、自分もAGAを発症するリスクが高いと考えられます。これらのサインが一つでも当てはまる、あるいは複数見られる場合は、AGAの可能性を疑い、自己判断せずに専門医（皮膚科またはAGA専門クリニック）に相談することをお勧めします。AGAは放置しておくと進行しますが、適切な治療を行えば、進行を抑制したり、改善したりすることが可能です。早期発見・早期治療が鍵となります。