AGA

急に髪が抜ける!病気の可能性は?

これまで特に気にならなかったのに、ある時期から急に抜け毛が増えた、あるいは特定の場所だけごそっと髪が抜けてしまった、という場合、それは単なる生活習慣の乱れや加齢によるものではなく、何らかの「病気」が原因となっている可能性も考えられます。異常な抜け毛が見られたときに疑われる病気について知っておきましょう。最も代表的なものが「円形脱毛症」です。これは自己免疫疾患の一つで、免疫細胞が誤って自分の毛根を攻撃してしまうことで、突然、円形または楕円形に髪が抜け落ちます。10円玉程度の大きさのものから、頭部全体に及ぶものまで重症度は様々で、年齢や性別に関係なく発症します。ストレスが引き金になることもありますが、原因は複雑です。次に、「甲状腺疾患」も脱毛を引き起こすことがあります。甲状腺ホルモンの分泌が過剰になる「甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)」でも、分泌が不足する「甲状腺機能低下症(橋本病など)」でも、ホルモンバランスの乱れから髪全体のボリュームが減るびまん性の脱毛が見られることがあります。脱毛以外にも、動悸、体重減少(亢進症)や、倦怠感、むくみ、体重増加(低下症)などの全身症状を伴うことが多いです。「鉄欠乏性貧血」も、特に女性に多い抜け毛の原因です。体内の鉄分が不足すると、血液が酸素を十分に運べなくなり、頭皮への酸素供給も低下します。これにより毛根の働きが悪くなり、抜け毛が増えたり、髪が細くなったりします。めまいや立ちくらみ、倦怠感、顔面蒼白などの症状が見られます。「膠原病(こうげんびょう)」、例えば全身性エリテマトーデス(SLE)などでも、免疫異常によって脱毛が起こることがあります。皮膚症状や関節痛など、他の全身症状を伴うことが多いです。「梅毒」などの感染症や、「脂漏性皮膚炎」「頭部白癬(しらくも)」といった頭皮の感染症や炎症が原因で脱毛が起こることもあります。これらの病気が原因の場合、まずはその病気自体の治療が最優先となります。原因疾患が改善すれば、脱毛症状も回復する可能性が高いです。急激な抜け毛や、脱毛以外の体調不良がある場合は、自己判断せずに、まずは皮膚科を受診し、必要であれば内科など他の診療科とも連携して原因を特定することが重要です。