AGA(男性型脱毛症)治療において、内服薬や外用薬と並ぶ選択肢として登場した「AGA注射」(注入療法・メソセラピー)には、どのようなメリットがあるのでしょうか。他の治療法と比較しながら、その利点を探ってみましょう。最大のメリットとして挙げられるのが、「有効成分を直接届けられる」点です。薄毛が気になる頭皮の、特に毛根周辺の必要な部位に、ピンポイントで有効成分を注入するため、成分がダイレクトに作用することが期待できます。外用薬の場合、皮膚のバリア機能によって有効成分が毛根まで十分に浸透しない可能性がありますが、注入療法ではそのハードルを越えて成分を届けることができます。また、内服薬のように全身の血流に乗って成分が運ばれるわけではないため、「全身性の副作用のリスクが比較的低い」とされる点もメリットの一つです。例えば、フィナステリドやデュタステリドといった内服薬では、ごく稀に性機能への影響などが報告されていますが、注入療法であれば、有効成分が局所にとどまりやすいため、こうした全身への影響を低減できる可能性があります。内服薬の副作用が心配な方や、持病などの理由で内服薬が使用できない方にとっては、検討に値する治療法と言えるでしょう。さらに、「治療効果の発現が比較的早い」可能性も指摘されています。有効成分が直接毛根に働きかけるため、内服薬や外用薬と比較して、より早期に発毛促進や抜け毛抑制の効果を実感できるケースがあると言われています。もちろん、効果の現れ方には個人差がありますが、少しでも早く変化を感じたいという方にとっては魅力的な点かもしれません。加えて、AGA注射は多くの場合、他の治療法と「併用が可能」です。内服薬や外用薬による基本的な治療を継続しながら、補助的な治療として注入療法を加えることで、相乗効果を狙い、より高い治療効果を目指すことができます。このように、AGA注射には、有効成分の送達効率の高さ、全身性副作用リスクの低減、効果発現の速さ、他の治療との併用可能性といったメリットが考えられます。ただし、後述するようにデメリットや注意点もあるため、治療を選択する際には、医師と十分に相談し、総合的に判断することが重要です。
— 薄毛 —
AGA注入療法のメリットを探る
2023年7月11日