ミノキシジルには、主に「外用薬(塗り薬)」と「内服薬(飲み薬、タブレット)」の二つのタイプが存在します。どちらもミノキシジルを有効成分としていますが、その使用方法や体内への吸収経路、そして効果の現れ方や副作用のリスクには大きな違いがあります。まず、「外用薬」は、頭皮に直接塗布するタイプの薬剤です。日本では、発毛剤として薬局やドラッグストアで購入できる第一類医薬品や、クリニックで処方される医療用医薬品があります。頭皮の気になる部分に直接塗布することで、有効成分が毛根周辺に浸透し、局所的に血行を促進したり、毛母細胞を活性化させたりする効果を狙います。全身への吸収は限定的であるため、比較的副作用のリスクは低いとされていますが、塗布部位のかゆみやかぶれといった皮膚症状が現れることがあります。効果を実感するまでには数ヶ月以上の継続使用が必要です。一方、「内服薬」は、錠剤(タブレット)の形で経口摂取するものです。有効成分が消化管から吸収され、血流に乗って全身に行き渡り、頭皮の毛根にも作用します。外用薬よりも体内への吸収効率が高いため、より高い発毛効果が期待できるとされることがあります。しかし、その反面、全身に作用するため、「副作用のリスク」も外用薬に比べて高くなる傾向があります。動悸、息切れ、めまい、低血圧、むくみ、多毛(全身の毛が濃くなる)といった全身性の副作用が報告されています。特に注意が必要なのは、ミノキシジル内服薬は、日本ではAGA(男性型脱毛症)治療薬としては「未承認」であるという点です。元々は高血圧治療薬として開発された経緯があり、薄毛治療目的での使用は適応外となります。一部のクリニックでは、医師の判断と責任のもとで処方されることがありますが、その安全性や有効性に関する国内での公的なデータは十分ではありません。どちらのタイプを選ぶかは、期待する効果のレベル、副作用への懸念、そして国内での承認状況などを総合的に考慮する必要があります。一般的には、まずは国内で承認されており、比較的安全性の高い外用薬から試してみるのが推奨されます。内服薬の使用を検討する場合は、必ず医師と十分に相談し、リスクを理解した上で、慎重に判断することが不可欠です。
— AGA —
塗り薬と飲み薬?ミノキシジルの種類と効果差
2022年10月14日