センター分けにしていて分け目の薄さが気になる場合、まず試してみてほしい最も簡単で効果的な対策が「分け目の位置を変えること」です。これは、前述した牽引性脱毛症の予防・改善に直接つながるだけでなく、見た目の印象を変え、薄毛を目立ちにくくするというメリットもあります。いつも同じ位置で髪を分けていると、その部分の毛根には常に一定方向への力が加わり、負担が集中してしまいます。また、分け目部分の頭皮は紫外線などの外部刺激にもさらされやすくなります。分け目を定期的に変えることで、これらの負担や刺激を分散させることができるのです。では、どのように分け目を変えれば良いのでしょうか。一番簡単なのは、センター分けから左右どちらかにずらした「サイドパート」にすることです。7:3や8:2など、自分の好みや顔の形に合わせて、分け目の位置を調整してみましょう。普段センター分けに慣れている方は、最初は少し違和感があるかもしれませんが、すぐに慣れてきます。サイドパートにすることで、髪の根元が立ち上がりやすくなり、トップに自然なボリューム感を出す効果も期待できます。これにより、分け目部分の地肌が目立ちにくくなります。また、分け目を直線ではなく「ジグザグ」にするのもおすすめです。コームの柄などを使って、分け目をジグザグに取ることで、地肌の露出が抑えられ、薄毛感をカモフラージュすることができます。少し手間はかかりますが、見た目の印象も変わり、おしゃれな雰囲気も演出できます。分け目を変える頻度は、毎日変えるのが理想的ですが、難しければ数日ごと、あるいは週に一度でも構いません。シャンプー後、髪を乾かす際に意識して分け目を変える習慣をつけると良いでしょう。ドライヤーで乾かすときに、分けたい方向と逆方向に髪を乾かしてから本来の分け目に戻すと、根元が立ち上がりやすくなります。分け目を変えることは、特別な道具や費用もかからず、今日からすぐに実践できる薄毛対策の第一歩です。牽引性脱毛症の予防だけでなく、見た目の印象アップにもつながるので、ぜひ試してみてください。