抜け毛が増えた、髪のボリュームが減ったなど、薄毛の兆候を感じ始めたとき、まず何をすべきでしょうか。市販の育毛剤を試したり、インターネットで情報を集めたりする方も多いと思いますが、最も確実で効果的な第一歩は、「専門医に相談すること」です。なぜなら、薄毛の原因は一つではなく、自己判断では見誤る可能性があるからです。AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)が最も一般的ですが、前述の通り、円形脱毛症や頭皮の皮膚炎、あるいは全身性の疾患が原因となっていることもあります。原因が異なれば、当然、適切な対処法も異なります。間違ったケアを続けてしまうと、効果がないばかりか、かえって症状を悪化させてしまう可能性すらあります。皮膚科医や薄毛治療を専門とするクリニックの医師は、毛髪や頭皮に関する専門知識と豊富な診療経験を持っています。診察では、まず丁寧な問診が行われます。いつから薄毛が気になり始めたか、家族に薄毛の人はいるか、生活習慣や既往歴など、様々な角度から情報を収集します。次に、視診や触診で頭皮や毛髪の状態を詳しく確認します。必要に応じて、マイクロスコープで毛穴や毛根の状態を観察したり、血液検査でホルモンバランスや栄養状態、他の疾患の有無などを調べたりすることもあります。これらの診察・検査を通して、薄毛の正確な原因を突き止め、個々の状態に合わせた最適な治療プランを提案してくれます。例えば、AGAと診断されれば、進行度合いに応じて内服薬や外用薬による治療が検討されます。円形脱毛症であれば、ステロイド治療や紫外線療法などが選択肢となります。皮膚炎が原因であれば、まずその治療が優先されます。専門医に相談するメリットは、正しい診断と適切な治療法を知ることができる点だけではありません。治療の選択肢、期待できる効果、考えられる副作用、そして費用について、専門的な見地から詳しい説明を受けることができます。保険適用の可否についても、医師の診断に基づいて判断されるため、正確な情報を得ることができます。また、治療中の経過観察や、疑問・不安に対するアドバイスなど、継続的なサポートを受けられることも大きな利点です。薄毛の悩みはデリケートな問題ですが、一人で抱え込まず、勇気を出して専門医の扉を叩くことが、改善への最も確かな近道となるはずです。
— AGA —
薄毛治療はまず専門医への相談から
2021年2月10日