シャンプーの後、排水溝に溜まった髪の毛を見てドキッとしたり、朝起きたら枕にたくさんの髪の毛がついていて不安になったり。髪の毛が抜けるという現象は、誰にとっても気になるものです。しかし、そもそも髪の毛はある程度の量が毎日抜けるのが自然なことなのです。髪の毛には「ヘアサイクル」と呼ばれる寿命があり、「成長期（髪が伸びる期間）」「退行期（成長が止まる期間）」「休止期（抜け落ちる準備期間）」というサイクルを繰り返しています。休止期に入った髪の毛は、新しい髪の毛に押し出されるようにして自然に抜け落ちます。健康な人の場合、この自然な抜け毛は1日に50本から100本程度あると言われています。季節の変わり目などには、一時的に抜け毛が増えることもあります。ですから、毎日ある程度の髪の毛が抜けること自体は、過度に心配する必要はありません。問題となるのは、この自然な範囲を超えて、明らかに抜け毛の量が増えた場合や、特定の場所だけが集中して抜ける場合、あるいは抜ける髪の毛が細く短いものばかりである場合などです。例えば、以前と比べて明らかに排水溝に溜まる毛の量が増えた、手ぐしを通すだけで何本も抜ける、枕につく毛の量が異常に多い、といった場合は、何らかの原因でヘアサイクルが乱れていたり、頭皮環境が悪化していたりする「異常な抜け毛」のサインかもしれません。また、抜け毛だけでなく、髪全体のボリュームが減ってきた、地肌が透けて見えるようになってきた、髪が細くなった、といった変化も注意が必要です。自分の抜け毛が自然な範囲なのか、それとも何らかの対策が必要な状態なのかを見極めることが大切です。日々の抜け毛の量に神経質になりすぎる必要はありませんが、明らかに変化を感じた場合は、その原因を探るようにしましょう。