AGA（男性型脱毛症）の治療中に、何らかの体調の変化を感じた場合、「これは副作用だろうか？」と不安になることがあるかもしれません。性欲が落ちた気がする、頭皮がかゆい、少しめまいがするなど、症状は様々です。そんな時、最も重要なのは「自己判断しないこと」そして「速やかに医師に相談すること」です。インターネットで情報を検索したり、自己流で薬の量を減らしたり、服用を中止したりするのは非常に危険です。なぜなら、感じている症状が本当にAGA治療薬の副作用なのか、それとも別の原因によるものなのかは、医師でなければ正確に判断できないからです。例えば、性機能に関する変化は、薬剤の影響だけでなく、ストレスや疲労、他の病気などが原因となっている可能性もあります。頭皮のかゆみも、薬剤への反応ではなく、季節性の乾燥や、シャンプーが合わないこと、あるいは脂漏性皮膚炎などの皮膚疾患が原因かもしれません。自己判断で薬を中止してしまうと、せっかく得られていた治療効果が失われてしまう可能性があります。AGA治療は継続が重要であり、中断すると再び薄毛が進行してしまうことが一般的です。また、副作用だと思い込んでいた症状が、実は別の病気のサインである可能性も否定できません。早期に医師に相談することで、適切な対処や、必要であれば原因疾患の治療につなげることができます。医師に相談する際は、いつから、どのような症状が出ているのか、具体的に伝えることが大切です。症状の程度や頻度、他に変わったことがなかったかなども詳しく話しましょう。医師は、症状と薬剤との関連性を評価し、今後の対応を判断します。考えられる対応としては、まず経過観察となる場合もあります。症状が軽微で、生活に支障がない程度であれば、そのまま治療を継続しながら様子を見ることがあります。症状が続く場合や、程度が強い場合は、薬の減量や一時的な休薬、あるいは他の薬剤への変更などが検討されます。例えば、フィナステリドで副作用が出た場合にデュタステリドに変更する、あるいはその逆、内服薬から外用薬中心の治療に切り替えるなどの選択肢があります。いずれにしても、医師とのコミュニケーションが不可欠です。不安なことや疑問点は遠慮なく質問し、納得した上で治療方針を決めるようにしましょう。