ケトコナゾールは有効な抗真菌薬ですが、副作用が現れる可能性があり、使用にあたってはいくつかの注意点があります。副作用の種類や頻度は、剤形（塗り薬、シャンプー、飲み薬）によって異なります。まず、「外用薬（クリーム、ローション）」や「シャンプー」の副作用としては、塗布した部位や洗った部位の局所的な皮膚症状が主です。具体的には、接触皮膚炎（かぶれ）、赤み、かゆみ、刺激感、皮膚の乾燥、落屑（皮膚が剥がれ落ちる）などが報告されています。これらの症状は、薬の成分に対するアレルギー反応や刺激によって起こることがあります。多くは軽度ですが、症状が強い場合や、長引く場合は、使用を中止して医師または薬剤師に相談する必要があります。まれに、全身性の副作用（頭痛、吐き気など）が起こる可能性もゼロではありませんが、頻度は低いとされています。次に、「内服薬（飲み薬）」の副作用です。前述の通り、内服薬は重篤な副作用のリスクが高いため、特に注意が必要です。最も重要な副作用は「肝機能障害」であり、定期的な肝機能検査が不可欠です。初期症状として、全身倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、黄疸（皮膚や白目が黄色くなる）などが現れた場合は、直ちに医師の診察を受けてください。また、「薬物相互作用」が非常に多いため、併用薬には最大限の注意が必要です。併用禁忌薬はもちろん、注意が必要な薬も多数あります。他の医療機関を受診する際や、市販薬・サプリメントを使用する際も、必ずケトコナゾール内服薬を服用していることを伝える必要があります。その他の副作用として、消化器症状（吐き気、嘔吐、腹痛、下痢）、内分泌系への影響（副腎機能不全、性機能障害など）、神経系症状（頭痛、めまい）、皮膚症状（発疹、かゆみ）などが報告されています。これらの症状が現れた場合も、自己判断せずに医師に相談してください。使用上の注意点として、まず「アレルギー歴」の確認が重要です。過去にケトコナゾールや他のアゾール系抗真菌薬でアレルギーを起こしたことがある方は、原則として使用できません。「妊娠中・授乳中」の方への使用についても注意が必要です。特に内服薬は、胎児や母乳への影響が懸念されるため、原則使用を避け、必要な場合のみ医師の判断で慎重に使われます。外用薬やシャンプーについても、医師に相談することが望ましいです。