フィナステリドによるAGA（男性型脱毛症）治療を開始して1年。この期間は、治療効果を実感し始める人が多い一方で、様々な疑問や不安が出てくる時期でもあります。ここでは、フィナステリド治療の1年経過時点における「真実」として、よくある疑問や知っておくべき点について触れてみたいと思います。真実その1：「効果には個人差があり、1年で満足いく結果が出るとは限らない」。前述の通り、フィナステリドの効果の現れ方は人それぞれです。1年で抜け毛が減り、髪質が改善し、発毛も見られる人もいれば、現状維持にとどまる人、あるいはほとんど変化を感じられない人もいます。期待値を高く持ちすぎず、現実的な効果を理解しておくことが大切です。真実その2：「初期脱毛は一時的な現象であることが多い」。服用開始後、数週間から数ヶ月の間に、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」を経験する人がいます。これは、ヘアサイクルが正常化する過程で起こる現象とされており、薬が効き始めているサインとも考えられます。多くの場合、この時期を乗り越えれば抜け毛は落ち着きます。1年経過時点でも抜け毛が多いと感じる場合は、他の原因も考えられるため医師に相談しましょう。真実その3：「副作用のリスクはゼロではないが、頻度は高くない」。フィナステリドには、性欲減退、勃起機能不全、肝機能障害などの副作用が報告されています。しかし、その発生頻度は数パーセント程度と決して高くはありません。1年間服用して特に問題がなかったとしても、体調の変化には常に注意し、気になることがあれば速やかに医師に伝えることが重要です。定期的な血液検査も推奨されます。真実その4：「服用を中止すると効果はなくなり、再び進行し始める」。フィナステリドはAGAの進行を「抑制」する薬であり、根本的に治癒させるものではありません。そのため、効果を維持するためには服用を継続する必要があります。自己判断で服用を中止すると、数ヶ月のうちに薬の効果が失われ、再び薄毛が進行し始めるのが一般的です。真実その5：「効果を高めるためには生活習慣の改善も重要」。フィナステリドの効果を最大限に引き出すには、薬だけに頼るのではなく、バランスの取れた食事、質の高い睡眠、ストレスケア、適度な運動といった健康的な生活習慣を心がけることが、髪が育ちやすい環境を作る上で役立ちます。