薄毛や抜け毛が気になり始めると、育毛シャンプーを使ったり、頭皮マッサージをしたりと、特別なケアに意識が向きがちです。しかし、それ以前に、普段何気なく行っている日常的なヘアケア習慣が、実は髪や頭皮にダメージを与え、薄毛の原因となっている可能性もあります。良かれと思ってやっていることが、逆効果になっていないか、一度見直してみましょう。まず、「シャンプーの選び方と洗い方」です。洗浄力が強すぎるシャンプー（特に高級アルコール系）は、頭皮に必要な皮脂まで奪い去り、乾燥やかゆみを引き起こすことがあります。乾燥した頭皮はバリア機能が低下し、外部からの刺激に弱くなります。逆に、洗浄力が弱すぎたり、すすぎが不十分だったりすると、皮脂や汚れ、シャンプー剤が毛穴に詰まり、炎症やフケの原因となります。自分の頭皮タイプに合った、適度な洗浄力で、できればアミノ酸系などのマイルドな洗浄成分のシャンプーを選びましょう。洗う際は、爪を立てずに指の腹で優しくマッサージするように洗い、すすぎは時間をかけて丁寧に行うことが大切です。「ドライヤーの使い方」も重要です。濡れた髪はキューティクルが開いて傷つきやすい状態なので、自然乾燥は避け、できるだけ早くドライヤーで乾かすのが基本です。しかし、ドライヤーの熱を長時間、至近距離から当て続けると、髪のタンパク質が変性したり、頭皮が乾燥したりしてダメージの原因になります。ドライヤーは髪から15cm以上離し、同じ場所に集中して熱風を当てないように、常に動かしながら乾かしましょう。最後に冷風を当てると、キューティクルが引き締まり、ツヤが出やすくなります。「ブラッシング」の方法にも注意が必要です。髪がもつれた状態で無理にブラシを通すと、切れ毛や枝毛の原因になります。まず毛先のもつれを優しく解きほぐしてから、根元に向かってとかすようにしましょう。静電気を起こしにくい素材のブラシを選ぶこともポイントです。「カラーリングやパーマ」の頻度も考慮しましょう。これらの薬剤は、髪や頭皮に少なからずダメージを与えます。頻繁に繰り返すと、ダメージが蓄積し、髪が細くなったり、頭皮環境が悪化したりする可能性があります。施術の間隔を空ける、ダメージの少ない薬剤を選ぶ、施術後はトリートメントでしっかりケアするなどの配慮が必要です。