30代後半になった頃、シャワーを浴びている時にふと気づいたんです。排水溝に溜まる髪の毛の量が、以前より明らかに増えていることに。特に、ドライヤーで髪を乾かすときに、前髪の生え際、特にM字の部分が後退しているように見えて、冷や汗が出ました。「まさか自分が…」という思いと、「これからどうなってしまうんだろう」という不安で、しばらくは鏡を見るのが憂鬱でした。最初は、気のせいだと思おうとしました。仕事が忙しくて疲れているだけかもしれない、季節の変わり目だからかもしれない、と。しかし、明らかに前髪のボリュームは減っていき、スタイリングも決まらなくなってきました。これは何とかしなければと思い、まず手を出したのが、インターネットで評判の良かった育毛シャンプーと育毛剤でした。毎日欠かさず使い、頭皮マッサージも念入りに行いました。しかし、数ヶ月続けても、目に見える変化はありませんでした。むしろ、抜け毛は減る気配がなく、焦りだけが募っていきました。次に考えたのが生活習慣の見直しです。思い返せば、当時は深夜までの残業も多く、食事は外食やコンビニ弁当が中心。睡眠時間もバラバラで、ストレスもかなり溜まっていました。これでは髪に良いわけがないと思い、できることから改善を始めました。まず、夜更かしをやめて、最低でも6時間は寝るように心がけました。食事も、できるだけ自炊を増やし、野菜やタンパク質を意識して摂るようにしました。特に、髪に良いとされる亜鉛を多く含む牡蠣やレバー、ナッツ類を積極的に食べました。そして、ストレス解消のために、週末に軽いジョギングを始めました。生活習慣を変えても、すぐに髪が生えてくるわけではありません。それでも、半年ほど続けた頃でしょうか。抜け毛の量が、少し減ってきたように感じられたのです。劇的な変化ではありませんでしたが、わずかな希望の光が見えた気がしました。そして、意を決してAGA専門クリニックの門を叩きました。医師の診察を受け、やはりAGAであると診断されました。そこで、内服薬による治療を開始することにしたのです。治療を始めてからも、改善された生活習慣は続けました。薬の効果と生活改善の相乗効果なのか、治療開始から半年ほどで、気にしていた前髪の生え際に、細いながらも産毛が生え始め、徐々にですが密度が増していくのを実感できました。
— AGA —
前髪復活への取り組み、私の試行錯誤
2020年12月13日